七月二十三日(水)
「海の日、サンゴの日」が終わった翌日(二十二日)、元ビクターの温井亮君と一緒にサード・ウェイブ・スタジオに入った。
前日のライブ録音のミックスをするためだ。
登川誠仁先生のお声は素晴らしく、よなは徹君は若々しく、久場政行さん&園田エイサーもしみじみと、やってよかった! のフェスティバルだった。
このライブ・アルバムは、ビクターから本年末頃に発売される予定で進んでいるが、最大のポイントは、照屋林賢さんに総指揮をお願いしたテーマ・ソング「
あんやんてぃんどう」の録音である。
「
あんやんてぃんどう」は、上原知子さんを中心に、よはな徹、久場政行、ガレッジセール(指笛も)&りんけんバンド…という、私が愛してやまない沖縄のアーティストが壇上で歌いあげる、
照屋林助先生の名曲である。島の自然、サンゴの海、人が語り合うことの大切さ、平和とは何か、政治の本質とは何か…沖縄から発せられた、地球とヒトの関係性…林助師の手になる一言ひとことは、この末世の二十一世紀にこそ輝く。
林賢&徹の見事なダブル三線。たたみかけるボーカル群の熱意。りんけんバンドの徹底してクールな演奏…ドラムは脅威の十一歳!
私はこのチーム・連合体を「沖縄 サンゴ オールスターズ with ガレッジセール」と名づけようと温井君と一緒にコザのスタジオで考えたのだった。本当に、なんていい歌なんだろう。
自然が、心が、大事だよね、そうだよね…
ただそれだけの歌「
あんやんてぃんどう」。林助さんも、彼の遺志を受け継ごうとしているウチナーンチュたちも、ありがたい。
そして今朝、私は林助師のお家を訪ね、師の遺影にご挨拶し、未亡人である澄子さんに、このライブ「
あんやんてぃんどう」を聞いていただいた。
「お父さん、聞こえるよね」
ご仏壇に飾られた、我らがテルリンの写真は、ずっと笑っているだけだった。