「ダリの沖縄」
七月六日（日）
万国津梁館の玉城扇（たまき・せん）さんと美ら海水族館へ行ってきた。四日の木曜日の、朝っぱらから。扇さんはコザまで車で迎えにきてくれた。
四日の沖縄はおっそろしく暑くて、くわえて扇さんのフェラーリ・スペシャルには冷房という文明がないから窓あけっぱなし、文字通りの真っ青な空を前方に見ながら本島北部、本部（もとぶ）の向こうまでとろとろに溶けそうになりながら我々は進んだのだった。
水族館のとなりに海洋文化館があって、サルバドール・ダリの特別展をやっていた。
＊世界的芸術家サルバドール・ダリが一九七五年の沖縄海洋博覧会のために創作した銀製の彫刻「沖縄の海より出る太陽の神」が、一日から本部町の海洋博記念公園で三十三年ぶりとなる�猯さ△雖疆玄┣颪埜�開が始まった。同公園での展示は三十一日まで、入場無料。（沖縄タイムス 七月一日、夕刊）
たった一点とはいえ、ダリがタダで見れるんだからと勇んで出かけた。会場は警備員さんが一人に、私と扇さんだけが見学者、というベストの状況。写真撮影もＯＫだってんだから、得しました。
ダリは沖縄へ来たことはないそうで、スペイン政府の依頼を受け「太陽の神」を作った。その根っこは沖縄戦である。
買えば何億円もするこの彫刻を、溝部達司という沖縄大好き人が、島へ「帰国」させようと頑張っているらしい。扇さんは、溝部さんのこの情熱を、同じような情熱をこめて私に語ってくれた。
上半身をそらせ、波間から苦しそうに（？）天をあおぐ女神。彼女には尾ひれがついているから、人魚なのだ。髪の毛や肩など身体のいたるところから
サンゴが生えていた。戦争の悲惨と、海と共にある沖縄を、このようにイメージし、そしてカタチにできるダリって、やっぱスゲーと思ったのでした。
3月3日 ≪しょうちゃんの蛇に三線≫