「ゆびづかい」
十一月十四日(水)
や、左のヒトさしゆびが曲がっている、じゃないか。S字とまではいかないが、かわいい五本のゆびを太陽にかざしてみるとヒトさしゆびの第二関節がほんのすこし膨らんで、そこを始点に左がわへおじぎしている…ようだ。もともとが左利きだから、弦をおさえる指に無用の力を込めて弾いているんだろうな。
ゆびの先あたりのことを気にする、それは、かつてはペンダコのことだった。今、ペンダコって言葉、通用するのだろうか? 職業的に鉛筆なり万年筆なりで原稿用紙に文章を書いていた時代があった。そのころアメリカへブルースなんかのレコードを直接注文していたから、タイプライターも少しやった。このタイプのゆびづかいを覚えていたおかげでワープロの時代になってもわりとらくに原稿用紙から電子系へ切り替えることができたのだが、四六時中、叩きつけるようにタイピングをしいていたから、いつも指の関節に鈍い痛みのようなものがあった。今度は三線。ゆびが、たしょうおかしくなってもかまわん、と思ってやっておる。
山里ユキ先生の「スンガー節」をコピーしたけど、この方のどっしりとした三線プレイ、歌唱法は魅力だなー。ごくかんたんなゆびづかいなのだが、その一音一音に表現されている「太い味」が年輪を感じさせる。ゆるぎのない太さ、なのだ。