「ふくばる」
十一月ニ日(金)
三線の練習をして、電車に乗って、小川町で降りたら
普久原朝喜先生の写真がぼくを待っていた。沖縄にはマルフクと丸福という独立系レコード会社があって、そのどちらのルーツも
普久原朝喜さんにある。「ふくばる・ちょうき」という人は、大阪で小さなレコード会社を設立し昭和のはじめから自分自身もふくめて素晴らしい録音を残した。その後、義理の息子にあたる
普久原恒勇(ふくはら・つねお)さんがマルフクを引き継ぎ、ヒットを連発したのだった。マルフクは今もCDをリリースしているけども、ぼくが小川町で渡されたフクバルさんの写真入りのパンフレットとはCD十二枚組のボックス・セットで二三九四〇円もする大全集のものだった。題して『沖縄民謡大全集』。フクバル先生の名録音「ハンタ原」から、恒勇さんの作った「芭蕉布」(歌は伊波智恵子さん)まで全部で一四四曲…ずら〜っと、その多くは聞いたことがあるからわかるけど、名唱、名演ばかりだ。ほっしぃー。でもガマン! だって家の中はCDやらブックやらアナログ・ディスク(LP)やらで、他人様がご覧になったらまるでヤバめの人んちだもの。もうモノを増やしてはいけません! アンド、その混乱のヤマの中でアタシは三線を抱いて歌のリハーサル(?)をしているわけで、この姿って、自分でもダイジョウブ? ってかんじー。「固み節」の歌三線ができるようになってから、考えることにしましょうね。
amazon-
CD Box Set『沖縄民謡大全集』