「四回目」
十月六日(土)
難波学習センターのセミナー、第四回目の最終日、アマチュアによるメッセージ・ソング実践講座の発表の日だ。ぼくが講師だから、「お手本」として一曲うならせてもらった。「ウチナーユンタ」だ。
受講生のみなさんとも話をしたのだが、最初は本当にできるかな〜なんて、みんなが不安だった。だけど不思議なものでしばらくたてば、こうしたい、ああいうテーマで書きたいと気分が変ってゆく自分がいるのだった。そういう自覚。みんなが表現者だということだ。
またこれもセミナーで話をしたことだが、近ごろのぼくはプロの歌、彼らの音楽にいくぶん「?」の部分があって、反対に、いわゆる普通の人たちの能力ってどれほどあるんだろうと考えるようになってきた。当たり前のことだが、歌・音楽はプロなりメディアなりだけのものじゃないからだ。今回の作詞セミナーはこの点、教えられることが多かった。みんなの気心が知れてきた三回目あたりから、なぜ私はこの歌詞を書いたのか、という一番重要な問題を参加者みんなが語るようになって、テーマであるメッセージ、それも人権という問題に、参加者全員が意見を述べあうまでになった。四回目も各個人の体験・生き方と歌とがどのように結びついているか、けっこう感動的な話を聞かせてもらった。残念だったのは、三線君まで持っていったのにやっぱり弾いて歌うなんてことは夢のまた夢だったこと。当たり前なんだけどさー…。