第1回 復興節/ソウル・フラワー・モノノケ・サミット
文・藤田正
ただ今ご紹介いただきました藤田です。
これから人権にかかわる音楽のお話をさせていただくわけですが、その前に、私がどのようにして今回テーマとする「
竹田の子守唄」などの音楽とめぐり合ったかを、お話したいと思います。
私は、一般に洋楽と言われる欧米のポピュラー音楽を専門としてきました。
外国の、アメリカの黒人音楽やカリブ海の音楽が中心です。ブルースやジャズ、ラテンといった音楽ですね。もっと前は、ロックしか聞きませんでした。日本の歌が嫌いだったのではなくて、意識して聞き始めたのが欧米の音楽が最初だったわけです。
音楽を、ちょっとでも意識して聞き始めると、それまで見えなかった色々な発見があるものです。たとえば、ロック・ミュージックがどれほどアメリカの黒人音楽にお世話になってきたのかとか、素晴らしい音楽が必ずしもヒット・チャートの上位には来ないものだとか、姿カタチはまるで違っても、社会背景や成立状況が実によく似ている音楽が世界各地にたくさんあるという発見もその一例です。
そういうふうにして巡りめぐって出会った初めての日本の音楽〜音曲(おんぎょく)が、河内音頭(かわちおんど)でした。
河内音頭がえらく好きになって、その背景にある浪花節も好きになりました。三味線音楽ってなんて素晴らしいんだろうとも、思い始めました。