洗練されたボーカルで定評のある山本潤子が、新しいコーラス・グループ「
April」を結成した。
山本を中心にした、ショーン星野、花木佐千子、松谷
麗王というラインナップによる男女4人組は、この6月21日にファースト・アルバム『10cc of Tears』を発売する。
かつて「
赤い鳥」のリード・ボーカリストとして「
竹田の子守唄」や「翼をください」のヒットを放って以来、Hi-Fi Setでの活動、「
童神(わらびがみ)」ほか多くの業績を残してきた山本に、現在の心境を聞いた。(取材:藤田正)
Aprilのアルバムに関して、山本はこれまでになくこだわったという。かつては少し不本意ではあっても周囲の事情を考えて、自分の主張を引き込めることがあった。
今回は違う。発売元であるビクターへ完成した音を収める直前になって、彼女はもう一度、やり直しすらしたそうである。
「これが最後になるかも知れないから(笑)」
ベテラン・シンガーとして数々のプロジェクトもこなす山本は、静かに応えてくれる。「ではアルバム『10cc of Tears』の出来は?」と聞けば、「80%です」
プロとしての自分の活動に、常に冷静な目をそそぐ山本潤子だった。