12回目となる「
ふしみ人権の集い」へ、
上々颱風(しゃんしゃんたいふーん)がやってくる。毎年2月、恒例となった「
竹田の子守唄」の里でのイベントだ。
ソウル・フラワー・モノノケ・サミット、大阪浪速の太鼓集団「怒」、
亀渕友香&VOJA、
古謝美佐子&佐原一哉…と、各ジャンルを代表する人たちが毎回、圧倒的なステージを繰り広げることで、ここ数年は全国からもたくさんの人たちが「ふしみ」に駆けつけるようになってきた。
いわゆる「人権の集会」という通常のイメージを、多数の賛同者のバックアップによって、ぶち破ろうとしているイベントだ。しかも無料! 関東からやってくる上々颱風の気合のステージが期待される。
上々颱風は、日本の歌のあり方を問い直すという姿勢を明確に打ち出し、1980年代にニッポンのロックや歌謡曲に大きな刺激を与えるバンドとして登場してきた。
通常のプロ・グループであれば、まずライブを拒否するような過疎地や河原、ドヤ街などでのイベントへ積極的に出かけ、全国に残るリアルな伝承歌、沖縄の島唄、河内音頭や江州音頭を彼らは「発見」し、そのエッセンスを我々に届けてくれた先駆的なバンドだ。
すべてストリート・レベル…の、上々颱風。「
ふしみ人権の集い」に登場するのが、今回が初めてというのが、ちょっと驚きでもある。
ここ最近、関西を中心として「同和行政関連の不祥事」が大変な問題になっている。こういった不祥事の発覚をきっかけとして、「そらみたことか、あいつらは」といった被差別部落出身者や活動団体「全体」への「攻撃と差別」も激しさを増している。京都は、この大きなトラブルの震源地の一つだが、「
ふしみ人権の集い」で壇上に上る「
竹田の子守唄を歌い継ぐ女性たち」…すなわち、部落解放同盟改進支部の女性たちは、まさにその「攻撃と差別」を全身に受けてながらも「ふつうに生きる権利のために努力してきた人たち」だ。
大古都・京都のもう一つの顔。それが「竹田」である。
「
ふしみ人権の集い」で、リアルな歌たちと出会い、彼女たちと出会うこと、それは新しい視点を獲得する旅の第一歩であり、またニッポンというクニの成り立ちがいかなる人たちを犠牲にして成り立ってきたのかも教えてくれる…「ふしみ」はそういう「集い」だと思います。
(文・藤田正)
*
「第12回
ふしみ人権の集い」
2007年2月3日(土)午後1時30分から
会場:京都府総合見本市会館パルスプラザ「稲盛ホール」
伏見区竹田鳥羽殿町5/京セラ本社ビルとなり(地下鉄or近鉄「竹田駅」からバスで5分、歩いて10数分。名神京都南インターから車で5分)
入場無料
音楽の出演:上々颱風、
部落解放同盟改進支部女性部
主催:
ふしみ人権の集い実行委員会
問合せ:京都市改進コミュニティセンター(075-611-3266)
*手話通訳、託児あり。必要な方は受付で申し出てください。
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