男性的な中川のボーカルを中心にして、舞台が熱を帯びてきたのが「解放歌」「農民歌」「革命歌」の3曲で構成されたメドレーだった。チンドン太鼓をバックにした胸を張った演奏ながら、後方ではアコーディオンとサックスがむせび泣き、切なさと哀愁がたっぷり染み込んだいい演奏だった。モノノケはその後、「カチューシャの唄」「聞け万国の労働者」「アリラン」「ピリカ」「
安里屋ユンタ」「インターナショナル」と、歴史的な名曲を次々と披露していった。
前半部の終わりには、「竹田こいこい節」が登場した。後半部では「竹田の子守唄(元唄)」に「竹田の子守唄」(ヒット・バージョン)と、彼らは3バーションもうたい演奏し、そのどれもが素晴らしくドラマチックな内容だった。
そしてコンサートの中盤には、元唄、「こいこい節」をうたい継ぐ部落解放同盟改進支部女性部のみなさん(写真)が舞台に上がり、モノノケのアコーディオンなども加えて、セッションが行なわれた。この時の拍手も熱いものがあった。
ゲストに、アイルランドのブズーキの名手、ドーナル・ラニーが加わるという豪華なステージで、これが無料というのだから、驚きである。
声高に人権、人権と叫ぶことなく、歌や舞台を通じてその意義を伝えようとする「ふしみ人権のつどい」。来年の9回目も期待される。