12回目となる「
ふしみ人権の集い」は、東京から
上々颱風を迎えて行われた。
今、関西を中心に発生したいわゆる「不祥事」をきっかけに、
被差別部落の人たちにさまざまな批判が投げつけられている。行政サービスの打ち切りや、一方的な責任転嫁など、まっとうな生活を送る多くの部落民に対する締め付けは、ますます厳しさを増している。差別根絶のはずが、情勢は正反対の方向へ向かいつつあるように思える。
「竹田の子守唄」の故郷で行われる「
ふしみ人権の集い」は、こんな暗い流れを止める、一本の(手作りの)杭になり得るだろうか?…たくさんの拍手と歓声に包まれた「集い」に参加しながら、そんなことを考えた。
(文・藤田正)
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上々颱風の白崎映美と、
「竹田の子守唄」(元唄ほか)を歌い継ぐ部落解放同盟
改進支部女性部のめんめん。白崎はもともと歌に司会にとその明るい才覚を発揮する女性だが、今回はさらに「白崎抜き」でこの成功はあり得なかったと思うほどに、素晴らしいステージングを見せた。たった一人で、コンサートの前から乗り込み「竹田」を学ぼうとした心意気が、ここに。
上々颱風の、完全ナマ・セットによるアンコール。落ち着いて、そして練り上げられたライブだった。アンコール前にリーダーである紅龍が、「友よ」(by
岡林信康)を、この京都で少しだけ歌うってのも彼らしくて良かった。
「集い」終了後の交流会での女性部と
上々颱風。毎年、「来年はどーするんやろ」という声が聞こえるほどにレベルの高い音楽イベントになってしまった「ふしみ」(しかも無料だぜ!…みんながどんなに苦労して頑張っているか、ぜひご理解を!)。そして最後に、
上々颱風が提示した難しいアレンジ(「竹田」の組曲)を、きちんとこなしてしまった
改進支部女性部の自信と成長には、驚きました。
CD『竹田の子守唄 ふるさとからのうたごえ』
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上々颱風11
あったりまえだ』(2006年)
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『郷音-hibiki/西川郷子』(上々颱風のもう一人の歌姫による待望の1st=2007年2月21日発売)