マンボラマTokyoが監修したラテン・シリーズ。
このページでは東芝EMIからの7枚を紹介する。
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『チリ・コン・ソウル / ザ・ジャズ・クルセイダーズ』
70年代に<ザ・クルセイダーズ>として世界的な人気を獲得する前の、ファンには定評の隠れた名作。ラテン・ソウル〜ブーガルー〜アフロ・ジャズ……さすがの第一級のテイストで迫る。65年に録音され、オリジナルはパシフィック・ジャズから発売された作品だ。スティックス・フーパー(ds)、ウェイン・ヘンダーソン(tb)、ウィルトン・フェルダー(ts)らのほかに、ヒューバート・ロウズ(fl)、クレア・フィシャー(org)、カルロス・ビダル(コンガ)が参加し、ニューヨーク系とは異なる、テキサス〜西海岸系ならではの味わいが格別のアルバム。
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『チリ・コン・ソウル / ザ・ジャズ・クルセイダーズ』
『ケニア / マチート』
ジャズの新時代を告げたビーバップ。この音楽革命と共にあったのがキューバ生まれのマンボ、そしてアフロ・キューバン・ジャズだった。マンボとなればマチート! パーカーやガレスピーほか稀代の名プレイヤーを輩出した、かの大変革の季節をいろどった人物と肩を並べるバンド・マスター/歌手である。本作品はキャノンボール・アダレー、ジョー・ニューマンをゲスト・プレイヤーに迎えての「マンボ〜アフロ・キューバン・ジャズ」の一大セッション。名だたる名人、異能をずらりとそろえたフルオーケストラが伝える「ジャズもアフロ・ラテンもルーツは同じ」という熱いメッセージ。57年録音。
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『ケニア / マチート』
『ラテン・レース / ザ・ジョージ・シアリング・クインテット』
スムーズで心地良いリズム・バランスに隠されたラテン・エッセンス。ジョージ・シアリングはこれまで、洗練されたジャズ・ピアニストとしての面だけが(特に日本では)紹介される傾向にあったが、もう一つ決して欠かせないのがスパニッシュ・カリビアンの風だ。50年代からシアリングの大ブームが巻き起こったのも、ラテン・リズムとジャズのブレンドの妙味だった。58年の本作はそのブームを代表する1枚。シアリングのソフィスティケーションを、改めて再認識する時代がやってきた。
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『ラテン・レース / ザ・ジョージ・シアリング・クインテット』
『ラテン・アフェア / ザ・ジョージ・シアリング・クインテット』
イギリス生まれ盲目のピアニスト、ジョージ・シアリング。『ラテン・アフェア』は、彼のラテン=ジャズ・エレガンスを堪能するための充実のアルバムだ。スモール・コンボによる無駄のない、均整のとれたアレンジ! アルマンド・ペラーサ(コンガ/のちにサンタナに参加)、トゥーツ・シールマンス(g)、アル・マッキボン(b)ら名手たちによる抑制の効いたビートは、まさに大人の味わい。ラウンジ風のジャズから、アフロ色の濃い曲までバリエイショも豊かな59年の作品。
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『ラテン・アフェア / ザ・ジョージ・シアリング・クインテット』
『ラテン・フィーヴァー / ジャック・コスタンゾ』
爆裂するボンゴ! 超ハイテンションなコスタンゾのラテン・リズム&ジャズに、打ちのめされる1枚。ジャック・コスタンゾはジャズ・オーケストラに初めてボンゴを導入した改革者で、40年代からスタン・ケントンやナット・キング・コールほか、当代筆頭のプレイヤー/シンガーと共に活動した。『ラテン・フィーヴァー』は、そんな彼の才能がフルに発揮された作品として知られる。「南京豆売り」「タブー」「マラゲーニャ」ほかラテンの名曲も彼の手にかかると! 58年録音。
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『ラテン・フィーヴァー / ジャック・コスタンゾ』
『レッツ・ゴー・ボボ! / ウィリー・ボボ&ヒズ・オーケストラ』
60年代、それは新しいリズム〜ビートが生まれ、かつニューヨークやLAなどの大都市に結集した時だった。ウィリー・ボボはラテン・パーカッショニストとして、これらブラック系のビートを、エネルギッシュに取り入れることに長けた人物だった。本アルバムは彼の3枚目のアルバムで(64年)、カリプソ、チャチャチャ、ファンキー、ツイスト&モンキーなどをエネルギッシュなアレンジで聴かせる。ブルース・ギターの使い方もお見事! ウィリー・ボボならではの大胆さが小気味よい、隠れた名盤。初CD化。
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『レッツ・ゴー・ボボ! / ウィリー・ボボ&ヒズ・オーケストラ』
『ボボズ・ビート / ウィリー・ボボ』
これぞナマの<60年代ラテン・ハーレム・サウンド>。ウィリー・ボボは、マンボの黄金の50年代からドラマー/パーカッション奏者として大活躍した人物。そんな彼が、周囲の大きな期待のもとに録音したのがこのアルバムだった(62年)。ウィリー・ボボにとって出発点ともなる本作は、アフロ・キューバンをベースとして、ジャズ、ブラジリアン・ビートを織り交ぜた意欲作。ソウル・ラテン、ラテン・ジャズのトップ・プレイヤーとして、こののち名を馳せることになる「ミスターWB」の原点!
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『ボボズ・ビート / ウィリー・ボボ』