キューバ音楽の伝説的なパーカッショニストとして知られるチャノ・ポソの録音と作品を紹介する3枚組アンソロジー『El Tambor De Cuba』(Tumbao Cuban Classics)が、日本でも手に入るようになった(2002年3月/スペインでは2001年の発売)。
チャノ・ポソ(本名 Luciano Pozo Gonzales)は、1915年にハバナで生まれた黒人で、天才的なパーカッショニスト/ダンサーとして当地で大活躍し、その後、
ディジ・ガレスピーと共にニューヨークで「キュー
バップ運動」(
バップ期の
ジャズと
アフロ・キューバンの融合)を推進した人物だった。
「マンテーカ」「ティン・ティン・デオ」「ブレン・ブレン・ブレン」ほかの名作も残したが、その気性の激しさゆえ、ニューヨークのバーで殺されてしまったという人物である。その時、彼はまだ33歳の若さだった(48年)。
アルバム『El Tambor De Cuba』は、1枚目がミゲリート・バルデスら
マチートら
キューバ音楽の大物らによるポソの作品集。1939年のバルデスとカシーノ・デ・ラ・プラージャ楽団の録音から、ポソの死後、53年に録音されたバルデスとオルケスタ・エルマーノス・カストロの「シ・ノ・ティエネ・スウィング」まで23曲が収められている。