amazon- 『沖縄ちゅらサウンズpresents 沖縄CMソング全曲集』

　テイチクから沖縄の人気CMソングやかつての名レコーディングを集めた企画CDが発売されている。
　この４月（2010年）にリリースされた１枚が『沖縄CMソング全曲集』だ。沖縄の歌謡曲はCMとの関連なしに語ることはできないが、本CDはまさにその好サンプル。BEGINの「オジー自慢のオリオンビール」、前川守賢の「琉球泡盛残波」といった県民であれば誰でも知ってる＜古典＞はもちろん、スーパー、銀行、パイナップルパーク…と、ありとあらゆる島のCMが出てくる。これでコマーシャルになるのかと心配になる下地勇の「ワイドー」は、彼お得意の宮古島方言で歌っているのだが、やっぱり何を言っているのかわからん〜。
　かの有名な上記・前川守賢の「あわもり、ざんぱ、飲んでひやるがヘイ！」は、このサビの部分だけしか作っていなかったことがわかるのが、なんとも楽しい。でも元ちゃん（前川）の三線、めちゃうまい。
　しゃかりの「空の風」、綺麗。これは那覇マラソンのイメージ・ソング。
　圧巻は登川誠仁の「忠孝の歌」で、誠仁師にとっては軽〜く作ったようなカチャーシー・ダンス・ナンバーだが、アゴが痛むまで忠孝の泡盛を飲みまくれ！というソラ恐ろしい冗談も含めて、先生ワールド炸裂だ。

amazon-『RBCラジオ ホームソング・オリジナル復刻盤』

　沖縄音楽のディープなファンであれば、待望の復刻といっていいのが『RBCラジオ　ホームソング・オリジナル復刻盤』（２枚組）だ。
　RBCラジオの音源を使って、かつての島のポップス、島唄が蘇った。かつて沖縄の＜国歌＞とまで言われたことがあるクララ新川の「芭蕉布」や、フォーシスターズの「ちんぬくじゅうしい」などは、文献にはよく出てくるが、オリジナルを耳にしたことがある人は今となっては少ない。沖縄の大衆音楽がいよいよエネルギッシュになってきた1960年代以降の歌たちを知るには絶好のアルバムだ。フォーシスターズ、ホップトーンズ、伊波智恵子、（若き日の）大工哲弘など、ユニーク＆いい歌が揃っている。

amazon- CD『おきなわのホームソング全曲集 2007年4月〜2008年12月』

　同じくRBC音源だが、09年にリリースされ、第50回のレコード大賞（企画賞）を受賞したのが『おきなわのホームソング全曲集 2007年4月〜2008年12月』。これは同局とBEGINが主導したシリーズものの一つで、いわばNHKの「みんなのうた」の沖縄バージョンである。BEGINの比嘉栄昇と子どもたちによる「走えーゴンゴン」（はえー、と読む）に始まり、モンパチの上江洌清作と佐原一哉の共作「ニーブイ　カーブイ」（歌＝中尾彬withまりあ）、クラシック系のベルカント・ボーカルを聞かせる知花賢招の「ふくらしゃや」（作曲＝玉栄政昭）も面白い。ローリー・クック、トム仲宗根（ディアマンテス）、上地政昭、よなは徹ほか、これから沖縄音楽を支えていく人たちの現在の力を知るにも適した楽しいアルバムだ。


amazon-『沖縄ちゅらサウンズpresents 沖縄CMソング全曲集』
amazon-『RBCラジオ　ホームソング・オリジナル復刻盤』
amazon-CD『おきなわのホームソング全曲集 2007年4月〜2008年12月』
amazon-『ORION BEER CM SONG SELECTION〜50th ANNIVERSARY EDITION』（オリオンビールのCMソングだけを集めたアルバム）