マンボ時代のニューヨーク・ラテン3大バンマスといえば、
ティト・プエンテ、ティト・ロドリーゲス、
マチートだ。3人とも甲乙つけがたい素晴らしい経歴の持ち主だが、歌手&バンド・リーダー、そして「色男部門」をここにつけ加わえるとなるとティト・ロドリーゲスに決定となる。
『アット・バードランド』は、甘いボーカルで一世を風靡したTR氏ではなく、ラテン・ジャズ・オーケストラの親分としての統率力の高さを示す実況盤。ズート・シムズ(ts)、クラーク・テリー(tp)、ボブ・ブルックマイヤー(tb)ら第一線のジャズマンを招いて、最初からラストまで一気に飛ばしまくる。選曲は「マック・ザ・ナイフ」「サマータイム」「A列車で行こう」ほか、すべてはジャズの定番だが、すべてが生粋のニューヨーク・ラテンにアレンジし直されている。2曲目「サマータイム」に、泣いてください。
スーツ姿も洒落た名ダンサーでもあった、ティト・ロドリーゲスを目の前に、こういうハード・ドライビングなラテンが、「かつては」あった。1961年4月10日のニューヨーク!
(藤田正/マンボラマTokyo)
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