沖縄の若手シンガーの中で成長を期待されている「よなは徹」が新作『三味連りてぃ』(写真/ブルー・インク)を完成させた(2003年9月18日発売)。
現在、琉球古典音楽と島唄の、その両方の世界で活動する若手というのは、案外と少ない。加えて新しいアプローチを模索するという姿勢も…、となると、現在26歳となるこの人物しかいないのかもしれない。しかし彼は、そう思われることが時に重荷だとも言う。(インタビュワー:藤田正)
「最近は島唄ポップスという言葉があって、ぼくからすれば三線を持ってうたっているだけのような若い人がいます。その人たちも面白いところはあるんですよ。こんなふうに三線を使うんだ!というような驚きがありますね。でも、やっぱり、島唄の基礎をキッチリと知ってからやってほしいというのが、ぼくの意見です。『
ナークニー』って何ですかという人がいるくらいですから」
----ということは、よなは徹は、その中にいない、と。絶対に自分は違うという自信がある。
「そうですね。外から見れば、彼らと同じと思われているところもあるのかも知れませんが、そこははっきりとしておきたいです。実は、二十代の男性で、沖縄の民謡をベースにしてやっている(表舞台に立っている)人って二人しかいないんです。池田卓とぼくくらいじゃないかな」
----ということは、本島だと、徹さんだけ?
「そうなんです」