粟の殻ですら、簡単に捨てなかった。
その殻を煎じて飲むと、夜もなんとか寝ることができたそうです。
青い葉だったら何でも食べているような生活をしていると、栄養になるものが採れない。粟の殻だったら、ほんの少しでも養分があるから、体が休まるのだそうです。
こういう話は、おばあさんがよく言っていました。私のおばあさんは「
人頭税(にんとうぜい)」時代の末期の人でしたから、宮古が苦しんだその中に生きた一人でした。
だから、少し前に首里城が再建されたでしょ。私、あれを観に行きましたが、本当に腹が立ってしようがなかった。我々の祖先が餓死してまで収めた金品で、彼らはあのようなものを建てていたわけです。許せない。
私は2度と首里城へは行きませんよ。
宮古の歌は、沖縄本島や八重山とは違います。
本当にいい歌が多い。そしてそれは、こういう宮古の生活から生まれたものなのです。
今回のCDも、一所懸命に歌ったものです。ぜひ聞いていただき、宮古の歌の良さを知ってもらえればと願っています。