アルバム『Message』以来、2年3ヶ月ぶりのアルバムとなる
モンゴル800の『百々』(写真)が話題になっている。
『百々』は『Messsage』の世界をさらに深化させたような内容で、沖縄に生きる者としての立場を明確にした素晴らしい作品だ。しかもミリオンセラー・バンドであるにもかかわらず徹底した「アマチュア主義」を貫いているのも彼ららしく、これまでの日本のロックにない独自の世界を切り拓いた。
『百々』にはシークレット・トラックがあることは、すでにBeats21でお報せした。前作の『Message』と同じく、ラスト・ソング「月へ送る手紙」が終わったあとに、登場する歌がそれで、これがアルバムの表題曲なのだ。
共演しているのは「童神」の
古謝美佐子。笛は、
よなは徹だ。モンパチの上江洌清作が三線を持ち、
島唄の世界で活躍するアーティストとレコーディングしたのは今回が初てである。
「風に揺れる ウージぬ吐息 月のため息さえ 響く青い夜/両手合わせ 祈る一の夜 見上げた丸い月 願う十五の夜」と始まる「百々」は、沖縄の伝統文化に根ざした子守唄で、モンパチのテーマでもある「月」への祈りが歌い込まれている(ウージとはサトウキビのこと)。
21世紀最初の子守唄としてヒットした「童神」の続編が、この「百々」だ、と言えるかもしれない。
なお、
Beats21 Online Bookでは、近々に『モンパチ の OKINAWA』という電子書籍をリリースする予定だ。本土では「青春パンク」といった軽い言葉だけで語られがちなモンパチと、沖縄との強い絆が語られる。請うご期待!
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