■SFUの集大成のようなアルバム
今やジャパニーズ・ロックの雄、とも言える大きな存在となった
ソウル・フラワー・ユニオン(SFU)。
ハードな語り口、エネルギッシュなバンド・サウンドは、ロック・ファンだけではなく社会問題に関心のある人たちや、さまざまな運動家たちからも高い支持を得ている。
2000年12月初頭、
ソウル・フラワー・ユニオンの
中川敬(なかがわ・たかし)は沖縄にいた。沖縄伝統歌謡の最高峰、
登川誠仁(のぼりかわ・せいじん)のニュー・アルバムをプロデュースするためである。
この時、中川が持参していたのが、SFUの、まだバック・サウンドだけが完成したニュー・アルバムの音だった。
彼のMDには、「殺人狂ルーレット」「サバイバーズ・バンケット」「Go−Goフーテンガール」「NOと言える男」「世紀のセレナーデ」などのタイトルが、11ほど記されいる。
中川敬は、この新作のMDをスタジオで流しながら、「お囃子が入らないアルバムは久しぶりだ」と語りはじめた。
中川の、その体からあふれるエネルギーは、変わらない。そして、きっぱりと、
「(今度のアルバムは)文句のない曲ばかり」だと。
MDにあわせて、中川が歌い出す。今度の作品は特別だと言い切る自信が、その歌声から聞き取れた。