---山口さん、こういう人とスタジオに入って大変だったでしょ。
山口 推して知るべしでしょ。
中川 俺は
登川誠仁の時も、あのオジイを立てるし、山口も立てるし。自分を殺してやってる。
---でもアルバムのアタマっから、中川イズムで突っ走っているじゃない。
山口 俺、ヤポネシア用に幾つか新曲を書いたんですよ。で、みんなの前でプレゼンした時はボツにされて、ほんで、ヤポネシアのレコーディングが始まった時、中川が俺になんの断りもなしに歌詞を入れてきて、気がついたら歌までうたってて。俺にも歌わせろだよ。
中川 「Bored With U.S.A.」のことやね。
山口 「
満月の夕」を一緒に書いた時も同じだったけど、あれは状況が状況だったからね(阪神淡路大震災の時に書き下ろされた歌)。
---緊急の時だったと。
中川 でも俺は、今回も緊急やと思ったんやね。テロがあったし(
米・同時多発テロ)。やりたいことを始めると、俺、テンションが上がってまうんやな。
山口 でも中川はなかなか怒らない。どちらかというと、俺のほうが短気だからね。
中川 俺なんかは、またやってしまった、と思うほうやから。
山口 これまで自分が作ってきたものと違うから、ぼくはこのアルバムは好きですよ。
---音のあり方として、時代が「ピコピコ・サウンド」になる前の、生の気合い、生のエネルギーを大切にしようとしているアルバムだと思うんだけど。70年代の
ローリング・ストーンズやファンカディックが持っていたものね。