森田寛カメラマンによる「第2回
コザ・てるりん祭」写真館のvol.8。祭もいよいよ終盤だ。
嘉手苅林次さんとは第1回の仕込みの時点から今回の出演を約束していた。お父さん(
嘉手苅林昌師)によく似て、長身で渋いノドの林次さん。「廃藩ぬ武士」(はいばんぬさむれー)や「国頭大福」(くんじゃんでーふく)ほか、父親ゆずりのレパートリーを披露してくれた。
第1回と同じく、トリは
登川誠仁さん。誰もが認める沖縄音楽の現役筆頭である。サイドを務めたのも昨年と同じく
仲宗根創(なかそね・はじめ)君だった。創は昨年のステージで師匠から後継者として発表された。ちびっ子のときから登川フリークとして話題になったが、まだ20代。今後どんな活躍をしてくれるのだろう。
登川誠仁さんは、いつものように元気&闊達で何よりだった。先生とは長く付き合わせてもらっているが、近頃は県内における周囲の見る目も変わってきたように感じる。以前は「歌と三線が恐ろしく上手な、面白い人」というイメージだったが、今回の「てるりん祭」にしても、敬意を込めたまなざしで接する人が増えたと思う。
園田青年会(園田エイサー)の若いスタッフと登川さん一行の到着を迎えたときも、雨降るコザの街に表われた「小さな巨人」から右手を差し出されて、ずいぶん感動しているようだった。
沖縄の文化的象徴が「歌と舞と三線」であると言うのなら、誰を置いても
登川誠仁師。この方が健在であることをみんなが喜ばしく思うべきなのだ。
実行委員長・
照屋林次郎の挨拶が終わり、フィナーレの
園田青年会による歌と舞が始まる。最高のエイサー・チーム、
園田青年会もまた、「てるりん祭」を全身で支えてくれている。有り難いことだ。
日本国中、どれほどのビッグ・マニー(みんなの税金)が投入されているのかもわからぬまた内実のない「まつり」や「フェスティバル」が多い中、「
コザ・てるりん祭」は、コザ(沖縄市)が好き、沖縄の歌と舞がだ〜い好きな人たちだけで、文字通り、細々と運営されている。
(文・藤田正)
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森田寛カメラマンによる「第2回
コザ・てるりん祭」写真館vol.1〜7:
「
しょうちゃんの蛇に三線」にアクセスしてください。
*昨年の<写真館「第1回
コザ・てるりん祭」by
森田寛>もご覧ください。
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登川誠仁師ひさかたぶりの東京ソロLIVE(2010年6月19日):
http://www.mandicompany.co.jp/hp2010/live/noborikawa/noborikawa.html
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登川誠仁with仲宗根創(森田寛/コザ・てるりん祭) |
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右から園田青年会の久場政行&前粟蔵靖、 栄口青年会のよなは徹(森田寛/コザ・てるりん祭) |
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Sound of Koza!! 録音担当、イガルー・サウンドの東江厚史 (森田寛/コザ・てるりん祭) |
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雨のため会場を隣接する一番街に変更 (森田寛/コザ・てるりん祭) |
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「コザ独立国」ステッカーを売って資金集め (森田寛/コザ・てるりん祭) |
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お疲れ気味の照屋林次郎実行委員長 (森田寛/コザ・てるりん祭) |