ニューヨーク・ラテン〜サルサの改革者、
エディ・パルミエリ(
エディ・パルミェーリ)が最も過激だった時の作品が、ボンバ・レコードからリイシューされる。
『センティード』『ザ・サン・オブ・ラテン・ミュージック』『アンフィニッシュド・マスターピース』『イン・コンサート・アット・ザ・ユニヴァーシティ・オブ・プエルト・リコ』…以上の4枚で、ヘビーなラテン・ダンスの究極ソングから、ジョン・コルトレーンらとも共通する「フリー・ジャズ」に至るまで、アフロ・アメリカン・ミュージックの可能性にチャレンジするドラマチックなアルバムばかりだ。
『センティード』以下のアルバム3枚は、2007年1月28日の発売。
『プエルトリコ大学コンサート』は、同年2月25日の発売。
どれも紙ジャケット(初回限定)、しかも世界初めてとなるマスターテープからのCD化である(デジタル・リマスタリング)。
(文・藤田正)
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エディ・パルミエリ(p)にとっての代表的な2曲「プエルトリコ」と「アドラシオーン」が収録された『センティード』は1973年の作品。ココ・レコードからのファースト・アルバムである。
イスマエル・キンターナ(vo)を筆頭に、ビティン・パス(tp)の素晴らしいソロを挟んで、若手のニッキー・マレーロ(ティンバーレス)、
ジェリー・ゴンサーレス(コンガ)、
アンディ・ゴンサーレス(b)らのゴリンゴリンと唸るリズム・セクションが襲いかかる。エディの別部隊ハーレム・リバー・ドライブとまるで同じアフロ(heavy!!)ファンクの「コンディシーオーネス・ケ・エクシステン」も収録。
『ザ・サン・オブ・ラテン・ミュージック』は、サルサの絶頂を示す(…ということは?)、傑作中の傑作。キューバ系のアルフレード・デ・ラ・フェ(vln)、そしてプエルトリコの少年シンガー、ラロ・ロドリーゲスを中心に据えて、これ以上はないという激烈(&ロマーンティックな)リズムが展開される。「ナダ・デ・ティ」「デセーオ・サルバーヘ」「ウナ・ロサ・エスパニョーラ」「ヌンカ・コンティーゴ」…無敵のラテン・ミュージックとしか言いようがないです。74年発表。グラミー賞受賞作品。
翌75年の『アンフィニッシュド・マスターピース』は、前作のラロが、ボーカリストとしてさらに充実のノドを聴かせてくれる作品…とは言っても、フリーなリズム・バトルの精神は失われるはずがなく、ビティン・パス、前作からのエディ・グアグア・リベーラ(b)、ニッキー・マレーロ、トミー・ペレス(ボンゴ)、バリー・ロジャーズ(tb)…さらにロン・カーター(b)、スティーブ・ガッド(ds)…と、各界のすげー人たちがエディの号令以下、レッツ・ゲット・クレイジー!をやってるさまは、たまりません。
そして4枚目の『プエルトリコ大学コンサート』だが、これも歴史的な名盤なんだけど、出し惜しみさせていただいて、追ってレポートしませう。adios!
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CD『センティード』
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『アンフィニッシュド・マスターピース』