阪神淡路の震災を契機に結成されたチンドン・ロック・バンド、
ソウル・フラワー・モノノケ・サミットが、珍しく東京にやってきた。
11月6日、日比谷野外音楽堂で開かれた「教育基本法の改悪をとめよう! 全国集会」に招かれたもので、彼らは2回のステージをこなした。
正午過ぎから始まったこの集会には延べ5000人を超える人たちが集まり、教育基本法や憲法の改悪を阻止すべくアピールがなされた。
モノノケ・サミットは、集会の始めに「水平歌」「農民歌」などのメドレーや、「聞け万国の労働者」「アリラン」を歌い、2回目のステージでは「満月の夕」「がんばろう」などが披露された。
この集会は全国の教職員組合や市民団体が主体となって開催されたもので、夕方からはデモが予定されていた。モノノケのセカンド・ステージは、野音から出発するデモ隊を「景気づける」意味もあり、彼らの演奏の合い間から主催者によるデモ行動への支持の説明が重なるなど、普通のコンサートとはまるで異なったライブとなった。なにより、彼らのステージが後半に向えばむかうほど会場に人が少なくなってゆくわけで、リード・ボーカルの中川敬などは(集会の主旨は理解しつつも)やりにくくてしょうがない、という感じだった。
ただ、彼らのサウンドはさすがのもので、かつての日本の名作(労働歌、
解放運動の歌など)に新たに光を当てただけでなく、この暗い時代を斬るための歌として充分に有効であることを、この日のステージでも証明してくれた。
バンド結成のきっかけが、震災被災者のためということもあり、軽々に一般の舞台には上らないモノノケだけに、特に東京では貴重なライブだったと言えるだろう。
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なお、モノノケや岸田繁(
くるり)らが歌を提供している豪華なボランティアCD『Save The Start Nagata Of Kobe / 風ガハランダ唄』も会場で販売されていた。
Save The Start Nagata Of Kobe
http://www7.ocn.ne.jp/~start-n/cd.htm
Soul Flower Union/魂花時報
http://www.breast.co.jp/soulflower/