私はこの映画をカンヌ映画祭にかけた時に、ジャーナリストは、アフガンというような重要性のない国についてなぜ映画を作ったのだと聞きました。
フランスのル・モンド紙が書いたのは、アフガニスタンのフィルムを観るよりもラブ・ストーリーのフィルムを観るほうが良いということでした。
そのほかにも大勢の人が、なんでこんな重要性のないことを取り上げたのかと私に言いました。
しかし「9・11」(
米・同時多発テロ)がすべてを変えました。20年間、忘れられていたアフガニスタンという所が、メディアの第1の注目地になったわけです。
しかしメディアが取り上げたのは、アフガンはテロリストの巣であるということばかりで、そこにある飢えについては語ってくれませんでした。
そしてアフガニスタンの文化の難しさについても語ってくれませんでした。ヒゲを剃って、ネクタイをすれば、それで文化的な問題は解決だと考えていたようです。
私は2週間前にアフガニスタンにいて、ブルカを被った女性たちともインタビューをしていました。(私が訪れた)ヘラートの98%がまだブルカを被っています。もうタリバンは去ってしまったのだから、なぜブルカを取らないのだと聞きますと、「私たちはこうしていたいのだ。これが私たちの風習なのだ」と言いました。「もしこれを取ってしまったら、神が私たちを地獄へ突き落とすだろう」と。
写真は、映画『カンダハール』。