古代ローマの円形闘技場として世界的に知られる「コロッセウム」で、その2000年の歴史上初めての音楽会が開かれる。
「タイム・フォー・ライフ」と銘打たれたコンサートは、2002年5月11日、ローマ市で3日間にわたって行われる「グローカリズム」の国際会議の初日に開かれる。「glocalism」とは“globalization”と“localism”を合わせた言葉で、地球的な視点に立ちながら各地域、国家の紛争や諸問題を解決していこうとする。
ローマ市のウォルター・ベトローニ市長は「このコンサートは、平和が不可能と思えるようなこの時期に、人は平和を求めるべきだというメッセージになる」と語り、だからこそ戦争当事国から一人づつ有名なミュージシャンを招聘したとしている。
メイン・アクトにはアメリカの
レイ・チャールズ(写真)が選ばれ、アルジェリアからはカレド、アルゼンチンからはメルセデス・ソーサが、イスラエルからはノア Noa、パネスチナ人としてはナビル Nabilが同じ壇上にのぼる。ボスニアとセルビアからもミュージシャンが呼ばれているという。
コンサートは特設ステージで行われ、「
米・同時多発テロ」の犠牲者のためのキャンドル・サービスもある。主催者側は、5万人もの人間が殺しあったという残虐な闘技場の遺跡で、平和を考える式典を持つことは有意義なことだ、としている。