Beats21の特集「イスラムの音楽を聞く(2)/
アフガンの消えた歌声」でも紹介したように、タリバン支配下にあったアフガニスタンでは、ごくわずかな例外を除き厳しく歌舞音曲が禁止されていた。
2002年1月半ばから全国で順次公開される『カンダハール』は、この時期のアフガニスタンをドキュメント・タッチで描いたことで、ブッシュ大統領も特別に観たという話題の映画である。アフガニスタンと音楽〜文化の関係。その第1弾として、同映画の監督であるモフセン・アフマルバフ氏からのメッセージを。
「神にさえ見放されたアフガニスタン」
----2001年ユネスコ<フェデリコ・フェリーニ>メダル授賞記念スピーチ(プレス・パンフレットから)
アフガニスタンは、何年もの間、空からは人々の頭上に爆弾が降り注ぎ、地には人々の足元に地雷が埋められてきた国です。アフガニスタンは、人々が自分たちの政府によって、毎日のように路上でむち打たれている国です。アフガニスタンは、逃げ場のない難民たちが、その隣人たちによって追い出されている国です。アフガニスタンは、干ばつによって人々が餓えと渇きに苦しみながら死に向かわされている国です。世界のどこよりも、この国では神の名が語られるというのに、この国は神にさえ見放されているかのようです。