2001年3月29日、新宿のリキッド・ルームは、あいかわらず満杯の盛況だった。
「フーテン・ガール・ミーツ・ホーリー・ゴースト」と題された当日のコンサートは、7月に発売が決まった彼らのニュー・アルバムからの曲目が、前半にズラリと並んだ。
ライブの途中でリーダーの
中川敬が「(まるで)ロック・バンドみたいやろ」と笑って語っていたように、今回のアルバムは70年代初頭のローリング・ストーンズ・タッチのものがあったりと、おおむねストレートなロック・サウンドが中心に置かれているようだ。ステージでもその色合いは濃く、ビート・バンド〜ストーンズ〜パンクと、ロックの中核はきっちりと押さえた歴史の上に現在の姿がある彼らだけに、風格も見える、引き締まった素晴らしい演奏だった。
曲目は、オープニングの「Go-Goフーテンガール」に始まり、「殺人狂ルーレット」「サバイバーズ・バンケット」「NOと言える男」「世紀のセレナーデ」など。
中川敬のボーカルを中心に、勢いに乗る
ソウル・フラワー・ユニオンの姿がくっきりとステージに描き出されていた。
ステージの風景が変わったのは名曲「満月の夕」からである。年の初めに若干の声の変調を訴えていた人物とは思えない、
中川敬の重量感あふれるボーカルが見事だった。