現在の沖縄歌謡で、女性人気投票をすれば、少なくとも
古謝美佐子(こじゃ・みさこ)はベスト3に入るはずである。
豊かな声量、優しい歌声、人柄がにじみ出た表現のまろやかさ。そして、第1期ネーネーズを引っ張った張本人が彼女。となれば、本当に地味な活動を続ける現在の古謝ですら、ファンは決してその名を忘れはしないはずである。
アルバム『天架ける橋(あまかけるはし)』は、待望の初アルバムである。ファンは何年も待たされて…古謝は、2000年沖縄音楽のナンバー1アルバムを届けてくれた。
なにより素晴らしいのは、ネーネーズ・サウンドの立役者だった佐原一哉(古謝の夫)の、実にていねい、かつ歌の内容を知り尽くしたプロデュースである。
古謝は、佐原のアコースティック・サウンドに安心し切って歌っている。この麗しい人間関係が透けて見える作りが、子守り唄や家族愛が重要なテーマとなった『天架ける橋』に、柔らかくも強い説得力を持たせる結果となった。
収録曲:サーサー節、橋ナークニー〜夢かいされ、天架きる橋、童神、ほか
*このCDは、2000枚限定です。税込み3000円。購入の問い合わせは、HIP大阪(06-6362-7301)へ。(DISC MILK DM002)