「HY」という沖縄のラップ〜ロック・グループがいる。全国的には無名に近いが、沖縄県内の十代にはその名前が浸透しつつある存在である。
2001年9月に発売された『Departure』(写真)は、そのこなれたポップ・センスが注目となり、メジャー各社も獲得に乗りだした。あるメジャー幹部に100万枚セールスも固いと言わしめた高校生バンドのステージを報告する。
「HY(エイチ・ワイ)」は、新里英之(ボーカル、ラップ)、仲宗根泉(ボーカル、キーボード)、名嘉俊(ボーカル、ラップ、ドラム)、宮里悠平(ギター)、許田信介(ベース)という編成による5人組で、現在はアマチュアとプロの中間といったグループである。
名前は、「ヒガシ・ヤケナ」の略で、屋慶名とは本島東部にある地域の名前。彼らの拠点となる場所の名前をバンド名に選んだということだろう。
沖縄の若いロック・バンドといえば、2001年後半の数カ月だけで新作を50万枚も売った
モンゴル800がいるが、HYはそれを追いかける存在であり、両者は東西の綱を張るバンドとすら言われはじめている。