かつての
ブルース・ブームでは、入門用のアルバムが何枚かあったが、その中でも知られていた編集盤『ストーリー・オブ・ザ・
ブルース』が復刻された(日本盤は2003年7月16日発売)。
2003年は米国議会が「
ブルースの年」であることを宣言し、アメリカ国内でいろいろな行事が行なわれている。そういう意味でもこの定番コンピは恰好の2枚組と言えるだろう。
このアルバムは研究者、ポール・オリバーによる同名の書籍(69年、写真)に基づいて選曲されたのがオリジナル(70年)である。オリバーは同書で、
ブルースの根元であるアフリカ音楽から語り始め、アメリカ大陸に
奴隷として連れてこられた黒人がどのようにこの音楽形態を完成させたかを分かりやすく説いた。彼に続いた多くの研究者によって様々な新発見がなされたものの、オリバーの活動はその原点に位置する一つである。
オリバー自身が編集した本CDもアフリカのガーナの歌から始まる。そして、ミシシッピ・ジョン・ハート、ブラインド・レモン・ジェファーソン、
ロバート・ジョンソン、ブッカ・ホワイト、
サニー・ボーイ・ウィリアムソンなど、歴史的な
ブルースマンによる名唱をここに系統立てて聞くことができる。
Beats21推薦書籍『The Story Of The Blues』(Paul Oliver著、import)