こんな音楽を聴いて欲しい! 連載10
だるまや 萩原貴久、吉岡英之、大野木一彦、古川麻紀
 
ザ・ゴールデン・カップス・アルバム
\1288(中古)
 最近は映画の公開、Boxセットの発売と盛り上がりを見せているゴールデン・カップスの 1st Album。
 後にブルース・ロックを演るカップスも当然いいですが、他のグループ・サウンズとは一線を画す個々のテクニックに洋楽指向…決しておそろいの衣裳なんか着ない…。最初から本格派の R&Bバンドだったのです。しかし、なんといってもここでの目玉は「Hey Joe」ではないでしょうか? 当時数多くのガレージ・バンドがカバーした曲ですが、おそらくカップスの「Hey Joe」は「PEBBLES」にも収録され、世界中のガレージ・ファンに知れわたった事でしょう。ルイズルイス加部(後にギターへコンバート)のまるでリード・ギターのようなファズ・ベースも間奏ではノイズになってしまい。度胆を抜かれる事間違いなし! ガレージ好きな人は、この「Hey Joe」のためだけに買っても損はしないでしょう。
(吉岡)

 
KEVIN DOHERTY / Sweet Water
\2520
 アイルランドでは、国民的グループ "FOUR MEN & A DOG"のメンバーとしても有名なダブリン在住のシンガー・ソングライター。
 02年に発表の2nd Solo Album。以前紹介した"REV. NEIL DOWN"のレコーディングにも参加していたPianoの James Delaneyをプロデューサーに迎えHenry McCullogh他アイルランドの気の合う仲間達とのリラックスしたレコーディングが生んだバラッド、センチメンタル、ロマンティックそしてハッピーソング有りの多彩さが楽しめます。
 HenryがKevinにプレゼントしたインストゥルメンタル"Bally Wonderland"は畑の真ん中にあるHenryの家を曲にしたもの、広い庭に小さな家、様々な鳥、鶏、孔雀までが自由に舞うナチュラル・ワールド。最後の13曲目が終わった後にも流れるシークレット・トラックもいい感じ。グレート・ハートフル・アルバム! 今年の春には、またHenry達とニューアルバムのレコーディングも終わっているはず。とても楽しみです。
(萩原)

 
PAUL CARRACK / Groovin’
\2835
「From now on」「I need you」「Love in vain」「Lovin’ you tonight」…ポールの過去の黒っぽい名唱に酔いしれてきた人は、彼がソウルのカバー集を作らないかな、と一再ならず思い描いたのではないか。
『Groovin'』はそんなファンの積年の渇きを一気に癒すような、まさしく彼にとっての原点回帰となる珠玉のカバー・アルバムである。セルフ・パフォーマンス、セルフ・プロデュースによる極めて私的な匂いのする作品で、美しいノーザン・ソウル・サウンドに乗った、ポールの滋味溢れる喉を存分に味わえる。アイズレー、マーヴィン・ゲイ、フォー・トップス、ラスカルズ、ヴァン・モリスン、そしてキャロル・キング。名曲ばかりずらずら続くが、決して歌い負けしていない。雄渾にして繊細。荒れる寸前の凪の海みたいで、マラコのボビー・ブランドもちらっと浮かぶ。笑顔が見えてこないのも実にいい。
(大野木 http://www.nogioh.com/

 
ASLEEP AT THE WHEEL /
The Very Best of Asleep at the Wheel Since 1970
\1999(輸入新品)
 現代のウェスタン・スウィングの大御所バンド"Asleep At theWheel" !!
 彼らは30年以上も活動を続けているベテラン中のベテランで最高のエンターテイナー!そんな彼らのヒット曲ばかりを集めたのがこのベスト盤。
 1曲目を飾るのは、カントリー・シンガーのマンディー・バーネットとのデュエット曲「The Letter」。続いてJiveの王"ルイ・・ジョーダン" の「Ain't Nobody Here But Us Chickens」のスウィング・スタイル・バージョン! 彼らはこの曲以外にも彼の曲をレパートリーにしています。その他、ウェスタン・スウィングの父"ボブ・ウィルズ"の「Take Me Back To The Tulsa」(フィドルやギターの奏法など、これぞウェスタン・スウィング!な曲)やギター・インスト曲の「Sugarfoot Rag」など収録。 
 しかし!何といっても一番のオススメは皆さまご存じの「Route66」のカバー! しかも彼らは何とブギウギ・スタイルでのカバー! この曲は数々のアーティスト達が様々なスタイルで演奏していますが、ブギウギ・スタイルで演奏しているのは多分彼らだけでしょう。
 ついつい踊り出したくなるそんなご機嫌なアルバム、夏の疲れの特効薬にいかがですか?
(古川)

 

( 2005/09/02 )

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こんな音楽を聴いて欲しい! 連載10
* vol.10/Sep. 2005 *
「こんな音楽を聴いて欲しい!」は、音楽の中味を、もしかしたら一番に知っているはずの、全国のマジなCDショップからのホンネ メッセージを特集しています。
 こんな視点が、こんな音楽があったのかと、面白く読んでください。
 紹介されているアルバムは購入も可能です。ただし枚数に限りがありますので、それぞれのショップに「Beats21で紹介されたもの」と明記の上、メールで問い合わせてください(本特集用の特別価格が設定されている場合があります)。販売価格は税込み。特記されたもの以外は、すべて新品です。
 支払い方法や送料などは、ショップそれぞれの方式にならいますので、詳細は各サイトをご覧下さい。

だるまや
新企画 こんな音楽を聴いて欲しい!
 
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