Coccoは、2001年2月21日に活動中止を発表したが、この日、全国発売のシングル「羽根」と沖縄限定発売のCD&ヴィデオ「風化風葬」が同時に発売された。
沖縄でいう後生(ぐそう=あの世)を見つめながら歌っているような「風化風葬」には、活動を中止し舞台から降りる自分の姿も塗り込められていることは明らかである。歌は、愛してやまない故郷・沖縄へ届けた、「哀しい挨拶文」だった。
「風化風葬」は、作詞作曲が「こっこ」、編曲が根岸孝旨といういつものコンビでつくれられている。ビデオは、2000年10月6日、日本武道館でのライブ。映像は、裸足で、肩で息をしながら思いつめたように歌う
Coccoの姿を印象的に捉えている。
歌は、沖縄でもほぼ無くなったと言われる「風葬」をキーワードとして、どんなに愛していても枯れ果て、忘れ去られるヒトの無情をうたう。歌に登場する「わたし」「あなた」とは、沖縄のことか、ファンであるか、恋人であるか、さまざまに解釈できるが、その中に彼女自身が身を消すことも、うたい込められている。
でも大丈夫
わたしはきっと
あなたを忘れるから
……忘れるかな?