オーティス・レディング『リスペクト』
イーストウエスト(AMCY6191〜2)
 70年代まで、ソウル・ミュージック、あるいはリズム&ブルースといえば、必ず名前が挙がったのがオーティス・レディングである。1967年12月10日、彼は、人気絶頂の時に飛行機事故でこの世を去った。
 これまでオーティスには数多くのアンソロジーがまとめられている。この『リスペクト〜ヴェリー・ベスト・オブ・オーティス・レディング』は、その最新の1枚である(2枚組、デジタル・リマスタリング)。
 スタックス・レコードからの出世作「ジーズ・アームズ・オブ・マイン」(63年にチャートイン)から、「リスペクト」、ローリング・ストーンズの「サティスファクション」、「ザッツ・ハウ・ストロング・マイ・ラブ・イズ」、「アイブ・ビーン・ラビング・ユー・トゥ・ロング」、ラスト・ソングとなった「ザ・ドッグ・オブ・ザ・ベイ」(68年に全米チャート1位)ほか代表的な歌を中心に計40曲が収録されている。
 映画『ブルース・ブラザーズ』で聞ける音楽の時代、と言えばいいのか、バックの演奏は映画にも出演していたブッカーT&ザ・MGズほか60年代メンフィス・ソウルの中核を担った人々だ。
 オーティスは彼らの、的確で、まるで無駄のない満点の演奏リズムをバックに、「ダイナミック」という形容がぴったりのボーカルを聞かせてくれる。また、切々と訴えかけるバラード、絶妙のリズム感を披露するリズムもの、そのどちらにも、優しい人柄だったという性格が透けて見えるのも、彼の名を不朽のものとしている理由だろう。
 なお、CD2の9曲目「Come To Me」は、別人の録音。Beats21がイーストウエストに問い合わせたところ、2001年1月の段階では、洋盤邦盤ふくめて、差し替えアルバムの準備中とのことだった。
 

( 2000/12/29 )

Otis Redding & His Orchestra"Live On The Sunset Strip"
20年の軌跡を綴る新録2枚組ベスト『HISTORIA / DIAMANTES』
Singin' from Yaeyama:彩風の新作『彩花』
あんたら/ほんまに/頑張ってください 『LAUGH IT OUT』RIZE with 隼人
テイチクからリリースされた沖縄音楽の好企画
琉神マブヤーから、ついにおにぎりパパになったアルベルト
DVD『嘉手苅林昌追善公演 白雲ぬ如に…』
サンボマスター『きみのためにつよくなりたい』:400メートル爆走気味に表現する「若さ」
カントリー・ボーイの今を歌う:池田卓『風月花日鳥曜日』
ついに出ましたよ、上原知子の島唄集『多幸山』
岡林信康の復刻スタート:『わたしを断罪せよ』
古謝美佐子8年ぶりの新作『廻る命』
マンボラマTokyo推薦:名作登場!フアン・ルイス・グエラの新作『Llave de Mi Corazon』
反ブッシュでグラミー受賞のカントリー3人組:『テイキング・ザ・ロング・ウェイ/ディキシー・チックス』
「マンボラマToyko」推薦CD:R.バレット、ブーガルー期の代表作『アシッド』
明るいエイズ・ソング「ディマクコンダ」by山田耕平
「マンボラマToyko」推薦CD:ジョニー・パチェーコ『ア・マン・アンド・ヒズ・ミュージック エル・マエストロ』
「マンボラマToyko」推薦CD:ジョー・バターンのアルバムが続々
マンボラマTokyo推薦CD:エディ・パルミエリ/アット・ザ・ユニヴァーシティ・オブ・プエルト・リコ
10年ぶりの名録音:大城美佐子/唄ウムイ
オーティス・レディング
60年代ソウルとオーティス・レディング
Otis Redding & His Orchestra"Live On The Sunset Strip"
メンフィス・ソウルの立役者、ルーファス・トーマスさんが亡くなる
オーティス・レディング『リスペクト』
1967年のレイ・バレット、『ラティーノ・コン・ソウル』
アレサ・フランクリン(ソウル)
サザン・ソウルの名シンガー、亡くなる/ジェイムズ・カーが58歳で
アリサ・フランクリンが名誉毀損で5000万ドルの訴訟を起こす
表紙へ戻る