今年の夏に行なわれたMISIAのライブを収録した『星空のライブ』(Rhythmedia)が発売される(2003年10月22日)。
大規模なドーム・コンサートではなく、中規模のホールで行なわれた今回のツアーは、彼女のボーカルをこそ中心にした内容だった。相変わらず乱造される女性ボーカリストの中にあって、着実にその歩を進めるMISIAの素敵な「素肌のボーカル」が聴ける。
収録されているのは「つつみ込むように」「眠れる夜は君のせい」「Escape」「あの夏のままで」ほか、彼女の代表的なヒットを中心にした13曲だ。
そのテイストは、ロードに出たいかしたソウル(R&B)・グループのそれを彷彿させるような、硬派なサウンドであり、これにからむMISIAのボーカルも実に気迫にあふれる。
かつてのガトー・バルビエーリのようなゴリゴリのサックス・ブロウに包まれながら、かつてのディスコ・ビートで盛り上がる「The Best of Time」の、なだれをうつような「黒い音」の気持ち良さはお見事!、だ。
また「化粧」の少ない今回のライブ・アルバムだけに、ソングライターとしての彼女の才能も再確認できるのも嬉しい。(藤田正)