大ヒットとなった1999年の『Da Real World』から2年、3枚目となる最新盤が『ミッシー...ソー・アディクティヴ』(エレクトラ/写真)である。メイン・プロデューサーはもちろんティンバーランド。エレクトロ・サウンドの奇妙な使い方と、どこか人を食ったようなミッシーのボーカルがぴったりとブレンドされ、「フューチャー・ファンク」の決定盤ともいうべき内容になっている。
ゲスト参加としてはJay Z、Eve、Methodman、Redman、Da Brat、Ludacris、Memphis Bleek and Ginuwineたち。それぞれの個性、声質の「配分」も実に上手い。
ファースト・シングルは「get ur feak on」。ビデオ・クリップは日本の暗黒舞踏からヒントを得た「白塗り裸男」など「怪人」がぞろぞろ出てくる愉快な作品となっているが、CDではダレた日本語がアタマに出てくる。ココゾという所には、アラブのコーランを唱えているようなボーカルが出てくるし、キメはツバを吐きかける音だ。
こういうボケ、醒めた笑いが、ティンバーランドの音作りの基本にあるはずだが、振り替えって考えればこれは80年代初頭のPファンクにも通じる味わいなのである。
ミッシーの最新盤は、斬新、しかもファンクの「正統」を受け継ぐ名作と言ってもいいだろう。