『 ＬＴ 』は毎回ジャマイカに関する一つのテーマを選び、その分野の専門家が書いた文章を集めた不定期刊行本です。第一回目『 ＬＴ１ 』のテーマは「ジャマイカの性」。ジャマイカにある西インド大学でジェンダー（性）やポピュラー・カルチャーを研究する専門家の文章、ダンスホール・アーティストのセシル、一般のジャマイカ人男性3 名に行ったインタビューが収録されています。
　

　

LT1 ジャマイカの性

発売日　2008 年11 月29 日
発行元　MIGHTY MULES' BOOKSTORE
小売価格（税込） 2,310 円
1,500部の限定出版です。
Ａ５判、全302P（左開き半分は英語、右開き半分は日本語）
　

　
　『ＬＴ』は書き手／読者の国籍を問いません。今回は９割以上がジャマイカ人著者による文章になっており、ジャマイカに関する文章をジャマイカ人自身も読めるよう、英語と日本語で同じ内容を収録しています。
（日本語ページには基本的な情報を補うため、編者／訳者・森本による解説がついています）　
　世界には、ジャマイカ文化・社会に関する本がたくさんありますが、日本にはまだ数の少ないのが現状です。そのギャップを埋める一石になればと『 ＬＴ 』の刊行を企画しました。今回のテーマに「性」を選んだ理由は、ダンスホールに歌われる、極端なまでの性器・異性愛信仰や同性愛嫌悪、性の経済学のなぞを解明するため。そしてどちらかというと保守的なジャマイカ人の性概念が誤解されているのを解消するためです。
　『 ＬＴ 』の半分以上がダンスホールを題材に語られ、残りはジャマイカが性に関してどんな問題を抱えているのか、それを解決するにはどうしたらいいのかというヒントが含まれています。「もっと深くジャマイカのことが知りたい」「ダンスホールのことが知りたい」という方におすすめの１冊です。

　
・アンケート：ジャマイカ人男性・女性のイメージ／森本幸代 … 6
・甘酸っぱいソース：ジャマイカのダンスホールにおける性の政治学（駆け引き）／キャロリン・クーパー … 11
・「ホモは死ぬべきだ」：ダンスホールにおける、男らしさの表現としての同性愛恐怖を探る／ドナ・Ｐ・ホープ … 29
・バッド・ギャル？：セシル・インタビュー／森本幸代 … 56
・ジャマイカにおけるラスタと政治とジェンダー関連の事象：ウーマニスト的批評／イマニ・Ｍ・タファリアマ … 66
・「今はボーグルの時代だ」： ジャマイカのダンスホールにおけるダンスとアイデンティティー／ソニア・スタンリー・ナイア … 83
・俺の意見は：インタビュー　エバートン、レノックス、リアリストの場合／森本幸代 … 103
・性について話せい！：ジェンダーや文化について思いつくままに／ブラッカ・エリス … 114
・男性の育児休暇と新しい男性／バリー・シェバンズ … 128
・もっと男性に目を向ける必要がある：バリー・ジェバンズ・インタビュー／森本幸代 … 134
・寄稿者紹介／… 143