クライブがホイットニーを見初めたのは83年頃。それから約2年間、ホイットニーのスター化計画が進んで行く。大事故を起こした
テディ・ペンダグラスの復活時の共演、ジャーメイン・ジャクソンとのコラボレイションほか、ホイットニーのソロ・デビューに向けて、テレビ、音楽ソフトなど主要メディアが駆使された。
そして待ち望まれたデビュー。爆発的な瞬発力で、彼女はスターダムへと昇っていった。
■ぼくが成功を保証する、から
ホイットニーの爆発的な人気の中心はバラードである。どれほど力を込めても、ゆるやかでスムーズな流れをキープするボーカル・コントロールである。
だからその容姿、そのドレスにふさわしく、ごく一般の人たちにクリーンのままのメッセージを伝えることができる。
そしてもう一つ、
ジェリー・ゴフィン、
マイケル・マサー、
リンダ・クリードら古参の作家たちの作品を積極的に登用し、それを彼女の第一のカラーとしたことである。
「すべてをあなたに」はゴフィン&マサーによる78年の作品(マリリン・マックー&ビリー・デイビス・ジュニアの持ち歌)。「グレイテスト…」のオリジナルは、
モハメッド・アリの自伝映画『ザ・グレイテスト』(77年)のテーマとして
ジョージ・ベンソンが歌ったものだった。こちらの作は、クリード&マサーである。