先行シングル「銀河と迷路」がテレビ・ドラマの主題歌として話題になっている
スカパラの新作、『HIGH NUMBERS』が発売される(2003年3月5日)。
通算10枚目となる本アルバムは、充実しきった彼らの音楽性を堪能できる素晴らしい内容となった。
スカをベースにし、軽やかで微笑みをたやさない演奏が、この暗い世の中と好対照だ。
スカパラはこれまでの活動によって、ジャマイカン・
スカからパンク、ポップ・ジャズまで、東京のクラブ系ダンス・ミュージックで重要な役割を果たしてきた。音楽性はまるで異なっていても、全国に数あるホーン・セクションを加えたバンドにも
スカパラは大きな影響力を及ぼしている。いわば手本のようなバンドである。だが、先輩風や権威づけなどにさらさら興味はないという、すがすがしさと若々しさがいい。加えて、このアルバムに格別に顕著なのが、そんな兄いちゃんぽい態度なのに、バンドが相当な力量を付けてきたことが手に取るようにわかるのである。
ある時はわざと安っぽく、ある時は反対に折り目正しく、その切り替えも素早く何気ない(録音の小技もふくめて)。SMAP〜ジャニーズ的なボーカルもの「銀河と迷路」にしても、「見えている連中」が肩の力を抜いて歌い、演奏しているのが、よくわかる。
2003年を代表するベスト・ダンス・アルバムの1枚。
Amazon.co.jp−『東京スカパラダイスオーケストラ/HIGH NUMBERS 』