Pushim・
プシン、いよいよ本領発揮。という作品である。
関西のレゲエ(ダンスホール・シーン)から登場した彼女は、
UA(ウーア)と同じようなぶっとい声質に特色がある。太いだけでなく、アクの強いバックのリズムやDJたちにもびくともしない腰の強さが
プシンらしく、センカンドとなるこの『COLORS』は、彼女の良さ充分に活かされた作品となった。
『COLORS』は、キング・ジャミーズ、タフ・ゴングなどのジャマイカ・レコーディングをはじめとして、ニューヨークではペニンスラ・スタジオで注目のフラバ・マルコムにプロデュースを依頼するなど、目を惹くセッションが多いのも魅力である。すでにヒットの兆しのある「悲しくてやりきれない」(フォーク・クルセイダーズのカバー)では、ベテラン・ギタリストであるアール・チナ・スミスや、ロビー・リン(キーボード)らの名前も見える。
「Candy」では
UAと共演し、タイトル・ソングはスライ&ロビーをバックに付ける。
ゴリゴリに押しまくる「Burn Fire」から、まるでオーソドックスなラバーズものの秀作「Heavenly」へとつながる冒頭の流れが決定的。ゆったりとした「Candy」「悲しくてやりきれない」といった歌が、ヘビイなリズムものと素晴らしい対比をなし、ラストまで飽きさせることがない。
日本にレゲエが入ってきて25年ほど経つが、その歴史の中でも指折りのJ-Reggaeの秀作と言えるはずである。