レゲエを聞いていても、いったい何を喋っているのか、まるでわからない。
ダンスホール系ともなると宇宙からの通話記録みたい。
こんな、手の付けようもなかったジャマイカ英語(パトワ)の解明に、たった一人、果敢にチャレンジしたのが著者の森本幸代だ。『パトワ単語帖』は丸7年もかけた労作。近頃は、いい加減なパトワ辞書(らしきもの?)をショップで見かけるが、森本版はまったく別。読み物としても大いに楽しい作品に仕上がっている。かの
『ボーン・フィ・デッド』と同じく、一般書店では流通しない発行部数を限った書籍で、Beats21が予約を受け付ける。
(文・藤田正)
以下は、森本幸代自身による内容説明。
パトワ単語帖
『パトワ単語帖』
2006年12月20日発売予定
森本幸代 著
発行・MIGHTY MULES' BOOKSTORE
A5版・並製本・208P
小売価格: 1,680円(税込)
<本の内容>
ここでいう"パトワ" とは、ジャマイカで一般的に使われているジャマイカ語(ジャメイカン・クレオール)を指します。本書は著者が7年間にわたり出会ったジャマイカ語を集めた単語帖です。レゲエを聞きながら新しいことばにぶつかるたび、必要にせまられて意味を探った言葉、本を読むときに意味のわからなかった言葉を、先人やジャマイカの知人にたずね、関連図書を参考にしながら少しずつまとめていったものです。いつの間にかそれがある程度の数になり、いまだ収録語数の多いパトワ関連書が出版されない現状を見て、これが他の人の役にもたつのでは?と思ったのが出版のきっかけになりました。
収録単語数約3,100語、1,300の熟語、1,350の例文は、日本語の出版として過去最大のボリューム。12ページにわたるパトワの生まれた背景、文法、発音にみられる特徴、関連図書紹介も、これからパトワを学ぼうという方には参考にしていただけます。今のレゲエ・ダンスホールで使われる流行語以外にも、クラシックと呼ばれる名曲で耳に残ったことばも収録しているため、オールド・レコードのリスナーにも広く活用していただけます。