コザ(現・沖縄市)など沖縄の米軍基地と共に育った「
オキナワン・ロック」をまとめたアンソロジーが発売された(2003年7月2日)。
首里城を背景に、米軍機と三線をあしらった象徴的なジャケットのこの2枚組は、1枚目が「紫」を中心とした選曲。2枚目は、過激なステージで知られたコンディション・グリーンやマリー・ウィズ・メデューサらの往年の録音が収められている。
基地文化を背景とした沖縄のロックは、すでに60年代から、「米兵の慰みもの」として徹底的に観客に鍛えられてきたという特色を持っている。レコードとファッションから形をなしていった「ロック・ファン」とはまるで異なるのが、彼らである。
このアルバムに収められたのは、彼らが本土でも注目された70年代の録音から2002年までのもの。ゾディアック、カッチャン・バンド、8ボールなども入っている。紫がディープ・パープルの圧倒的な影響下にあったこと、コンディション・グリーンが、ステージでは粗暴・危険なイメージを振りまいていたのに、「ウィークエンド・フィーバー」ほか音楽性はかなりスキッとしていたことなど、色々な発見がある。キャン・マリーのボーカルもいい。
コザや
金武など沖縄の地方都市(町)にあって、彼らは地元の島唄の人たちとは音楽的交流がほとんどなかった。このアルバムに記録された古典的なハード・ロックを聴きながら、そんなことを考えると、新たな感動を覚える。
Beats21推薦CD-『OKINAWAN HARD ROCK LEGENDRY』