1960年代、米軍基地の圧倒的な影響下にあったコザ(現・沖縄市)などを中心に、米兵相手の地元ロック・バンドが発生した。64年に結成された川満勝弘、喜屋武(きゃん)幸雄によるらウィスパーズがその草分けで、彼らは基地の外としては沖縄初のロック・コンサートを開いた。以後、キャナビス、紫、コンディション・グリーン、コトブキ、メデューサなどが結成され、そのハードで生々しいサウンドは、70年代、本土ロック界にもショックを与えた。上記二者ほか、ジョージ紫、宮永英一、マリー(withメデューサ)らが中心。88年には、元・紫の城間俊雄・正男兄弟によるアイランドが「ステイ・ウィズ・ミー」を全国ヒットさせた。彼らの中核メンバーは、沖縄県ロック協会を創立するなど、現在も活動を続ける。なお「オキナワン・ロック」という言葉は、彼ら旧コザ市を中心としたミュージシャンを指す時と、沖縄のロックを総称する場合とがある。