昨年のデビュー・アルバム『アナザー・マインド』が、
ジャズ・アルバムとしては異例の大ヒットになった上原ひろみである。
デビュー当時はまだバークリー音楽院に在学中であったことも手伝って、才能ある若手プレイヤーの登場と、いろいろと話題になった。
セカンド・アルバムとなる『ブレイン』は、1曲1曲を短編映画のように考えて作られた、いわばコンセプト・アルバムだ。「ブルース・リーとジャッキー・チェンに愛を込めて」と紹介されている「Kung Fu World Champion」は、ハービー・ハンコック的なエレクトリック・ファンクだが、前衛的なピアノ・プレイあり、ヨーロッパ・クラシック音楽的なアプローチありと、いわゆる「
ジャズ」のカテゴリーからずいぶん自由な曲が多い。
先日、彼女に会った時に、自分は音楽の引き出しが多いと思う(それだけ常に学んでいる)と語っていたが、まだ20台半ばだ。これからの成長を期待したい上原ひろみである。 ちなみに彼女が尊敬する女性の一人が
秋吉敏子だそう。
Amazon.co.jp-『ブレイン』