東京
スカパラダイスオーケストラ(
スカパラ)が所属するカッティング・エッジの「ユニット・リーダー」として活躍する本根誠は、ある夜はDJとして、ある日は音楽評論家として色々な場面にその名前を見かける人物である。
ヒット・アルバムを作るかたわら、「イケてないライターが、タダでクラブへ入れてもらってるくせに、モノがわかったような口をきく」と辛らつな言葉を(笑いながら)吐く。
音楽フリークである彼の持論の一端を紹介する。
2003年3月の発売以来、この3カ月間ほどで30万枚のセールスを記録しているのが
スカパラの名作『HIGH NUMBERS』(写真)である。本根誠の名前は、このアルバムにディレクター、A&R(アーティスト&レパートリー)のチーフとして登場する。いわば現場におけるレコード会社側の責任者である。
そんな彼に、
スカパラを
エイベックスという会社の中でどう変えたのか?と尋ねると、
「
スカパラの才能を引き出し、ビジネスとお付き合いさせた(のが、ぼくです)」という返事がかえってきた。彼はまた、こうも言った
「彼らは実力のあるバンドに違いないんですが、ぼくは彼らを一度、アングラの位置へ戻したとも言えると思います。昔は半ば不良で半ばポップが魅力だったバンドが、ポップ寄りになっていった時期があったんですね。それをぼくは元へ戻した」