エリック・クラプトンなどと並び、ブリティッシュ・ロックの黄金期を築いたステーィブ・ウィンウッドが6年ぶりとなる新作を完成させた(日本盤の発売は2003年7月16日)。
彼が演奏するハモンドB3オルガンを全編にフィーチャーした『アバウト・タイム』は、ベテランらしいツボを心得たR&B〜ファンキー・サウンドに貫かれ、なかなかに洒落たダンス・アルバムになっている。
スティーブ・ウィンウッドは、ブラインド・フェイスやトラフィックなどの伝説的なグループに在籍したボーカリストである。86年の『バック・イン・ザ・ハイ・ライフ』では、グラミー賞の「レコード・オブ・ザ・イヤー」に輝くなど、寡作ながらブリティッシュ・ロックの大物としてファンから尊敬を集めてきた。
今回のアルバムは、演奏がホセ・ネト(ギター)とウォルフレード・レジェス(ドラムス)を中心とするトリオが基本で、実力ある人たちのプレイとはこれほどに小気味いいのかと感じさせるほどの内容である。汎アフロ・ミュージックのエッセンスが隅々に染み渡っているのも魅力。オルガン・
ファンクの名作「ホワイ・キャント・ウィ・リブ・トゥゲザー」をカバーしているのは、当然といったところか。