70年代のアメリカン・ポップは、数多くの個性派ボーカリストを生んだことでも知られている。
ニューヨークで今も活躍するフィービ・スノウもその一人で、2001年11月21日に、未発表ライブ3曲をふくむベスト盤『ベリー・ベスト・オブ・フィービ・スノウ』(ソニー)が発売される。
スノウは1952年、マンハッタンに生まれた女性で、黒人とユダヤ人の血を引いている。デビューは1975年。ちょうどシンガーソング・ライターのブームのさなかで、彼女もその一人として注目を浴びたが、なんといっても、その独特にビブラートを効かせた柔らかなボーカル・スタイルが話題を呼んだ。
大きなヒットとしてはデビューの「ポエトリー・マン」ぐらいしかないものの、今でも根強いファンが多いというのも、唯一無二のそのボーカルに負うところが大なのである。
淡い曲調の中に、スノウの声質が溶け込んだ「ポエトリー・マン」はもちろん、ファンク・チューンの「シェイキー・グラウンド」、
ジョン・レノン&
ポール・マッカートニーの「ドンド・レット・ミー・ダウン」といったカバーにも、彼女の魅力が存分に発揮されている。