石垣港でのハーリーも、初めから終わりまで舞いも音楽も止むことはなかった。
勝った海人のチームが勝ち名乗りを上げて湾内を誇らしげに廻る時、応援してきた女たちがここぞとばかりに祝いのカチャーシーを踊り出すシーンは、全身に喜びがあふれ、その姿が本当に美しい。
もちろんハーリーが終了したあとも音楽と舞いは途切れることはなかった。
表彰式が行なわれている頃、一足先に各組のテントに集合した女たちは自分たちだけの祝いの舞い、カチャーシーを踊る。男たちが爬龍船で戻って来れば、神への挨拶のあと、今度は男だけが舞うのである。
その次が祝賀会だ。各組がそれぞれに仮設の舞台を設え、別々のシンガー、踊り手を招き、みんなで歌い舞う。
中1組に招かれたのは石垣をベースに活動する
安里勇とその一行だった(写真)。
その苦みばしったスタイルが本土でも人気の
安里勇は、格調高い祝い節をうたい、カチャーシーの歌で踊らせ、約3時間、寸劇も交えながら徹底したエンタテインメントを披露した。
大事な祝い事であるからには、心から祝い、喜ぶ、という「鉄則」。
天がはじけたような暑さの中、赤銅色の男たちの笑顔は島の歌と舞いに芸術的なほどにシンクロした「ゆっかぬふぃー」だった。