クリア・チャネル社は、2001年9月18日付で声明を発表し、内部資料として配布されたリストが一部で批判を呼んだことに対し、同社は配下の各ラジオ局へ特定の曲の「放送禁止」(緊急声明文から)など命じたことは決してないと反論している。
曲の選定は、各番組・各局の責任者が決めることとし、同社は憲法修正第1条(表現の自由)、発言の自由を「強烈に信じている」(同上)と発表している。
いっぽう、同時多発テロ以降のアメリカで、際立って歌われることが多くなっているのは、1918年、アービング・バーリンIrving Berlinによって作られたブロードウェイ・ソング「God Bless America」である。「ゴッド・ブレス・アメリカ」は、38年、ナチス・ドイツがオーストリアを併合した年に、CBSラジオ用にケイト・スミスがうたい、国威高揚歌として広まった歌だった。
この歌は現在、ナショナル・カテドラルおける政府主催の大慰霊祭を筆頭にして、テロに倒れた人々を追悼する様々な場で、国歌「The Star-Spangled Banner」以上にアメリカ人がうたっている、と言われている。
もちろん国歌も、
ホイットニー・ヒューストンが湾岸戦争時に歌い(アメリカ人には)記憶に新しいバージョンが再度注目を浴び、すでにCD化の話が持ちあがっている。
湾岸戦争時にヒットした、Lee Greenwoodの「God Bless The U.S.A.」は、テロ発生後1週間で、もっともエアプレイが増えた歌となった(Broadcast Data Systems調べ)。その数、1100局の調査で、テロ以前の54回から4267回と約80倍の増加である。
歌の流れを見るだけでも、アメリカは戦争に向かって突っ走っているようである。
(おわり)