Sugar Soul『BALANCE』
ワーナー WPC6-10117〜10118
 Sugar Soulの2枚組ライブ。2000年5月に発売された『うず』をきっかけに、彼女はツアーを行なったが、そのホットなリポートがこのCDである。
 ここ数年、「ディーバ」というキャッチフレーズのもとで、実に多くの女性シンガーが登場し消えていった。黒人音楽(リズム&ブルース)に影響を受けた日本の、特に女性のシンガーが、これほどまでに圧倒的なシェアを持った時期というのは初めてのことだろう。
 Sugar Soulも、レゲエやアメリカの黒人音楽なくして語ることはできないが、「自分らしさ」を自分の手でつかみとっているシンガーであることに違いない。メジャー・デビューして2年ほどの彼女が、もうダブル・ライブ・アルバムをリリースするのも、そういった自信の表われのはずだ。
 ZEPP TOKYO、鹿児島国際大学などで収録されたこのCDは、ライブであるだけに粗っぽい。だが、だからこそ明確となるSugar Soulのむき出しの個性は、聴きごたえ充分だ。たとえば、前半の起爆剤となる濃厚なセックス・ソング「今すぐ欲しい」などは、スタジオ録音よりもはるかに生々しく、お相手のZEEBRA(ラップ)の野獣のような声すら、その度量の広さにおいて上回っている。 
 愛を探す都市のストーリーテラー、メアリー・J・ブライジを思い出す人も多いだろう。Sugar Soulのbitter-sweetなアルバムである。
(A.K.A./ワーナー WPC6-10117〜10118、2001年1月24日発売)

Amazon.co.jp−Sugar Soul『BALANCE』


 

( 2000/12/14 )

Otis Redding & His Orchestra"Live On The Sunset Strip"
20年の軌跡を綴る新録2枚組ベスト『HISTORIA / DIAMANTES』
Singin' from Yaeyama:彩風の新作『彩花』
あんたら/ほんまに/頑張ってください 『LAUGH IT OUT』RIZE with 隼人
テイチクからリリースされた沖縄音楽の好企画
琉神マブヤーから、ついにおにぎりパパになったアルベルト
DVD『嘉手苅林昌追善公演 白雲ぬ如に…』
サンボマスター『きみのためにつよくなりたい』:400メートル爆走気味に表現する「若さ」
カントリー・ボーイの今を歌う:池田卓『風月花日鳥曜日』
ついに出ましたよ、上原知子の島唄集『多幸山』
岡林信康の復刻スタート:『わたしを断罪せよ』
古謝美佐子8年ぶりの新作『廻る命』
マンボラマTokyo推薦:名作登場!フアン・ルイス・グエラの新作『Llave de Mi Corazon』
反ブッシュでグラミー受賞のカントリー3人組:『テイキング・ザ・ロング・ウェイ/ディキシー・チックス』
「マンボラマToyko」推薦CD:R.バレット、ブーガルー期の代表作『アシッド』
明るいエイズ・ソング「ディマクコンダ」by山田耕平
「マンボラマToyko」推薦CD:ジョニー・パチェーコ『ア・マン・アンド・ヒズ・ミュージック エル・マエストロ』
「マンボラマToyko」推薦CD:ジョー・バターンのアルバムが続々
マンボラマTokyo推薦CD:エディ・パルミエリ/アット・ザ・ユニヴァーシティ・オブ・プエルト・リコ
10年ぶりの名録音:大城美佐子/唄ウムイ
Sugar Soul
DJ HASEBE、sugar soulがニュー・シングル発売/「ザビエル3800」が2月21日に
Sugar Soul『BALANCE』
sugar soulの新作はライブ2枚組/2001年1月に発売
降谷建志(ドラゴン・アッシュ)らの新ユニット、スタート
プレス 平井堅の初めてのremix album『Kh re-mixed up 1』発売
表紙へ戻る