Sugar Soulの2枚組ライブ。2000年5月に発売された『うず』をきっかけに、彼女はツアーを行なったが、そのホットなリポートがこのCDである。
ここ数年、「ディーバ」というキャッチフレーズのもとで、実に多くの女性シンガーが登場し消えていった。黒人音楽(リズム&ブルース)に影響を受けた日本の、特に女性のシンガーが、これほどまでに圧倒的なシェアを持った時期というのは初めてのことだろう。
Sugar Soulも、レゲエやアメリカの黒人音楽なくして語ることはできないが、「自分らしさ」を自分の手でつかみとっているシンガーであることに違いない。メジャー・デビューして2年ほどの彼女が、もうダブル・ライブ・アルバムをリリースするのも、そういった自信の表われのはずだ。
ZEPP TOKYO、鹿児島国際大学などで収録されたこのCDは、ライブであるだけに粗っぽい。だが、だからこそ明確となる
Sugar Soulのむき出しの個性は、聴きごたえ充分だ。たとえば、前半の起爆剤となる濃厚なセックス・ソング「今すぐ欲しい」などは、スタジオ録音よりもはるかに生々しく、お相手のZEEBRA(ラップ)の野獣のような声すら、その度量の広さにおいて上回っている。
愛を探す都市のストーリーテラー、メアリー・J・ブライジを思い出す人も多いだろう。
Sugar Soulのbitter-sweetなアルバムである。
(A.K.A./ワーナー WPC6-10117〜10118、2001年1月24日発売)