5月4日、品川区の戸越公園で「Bring The Hope Project」という小さなイベントが開かれた。発起人はRIZEのJESSE。「2010年の5・4」、すなわち「ト・ゴ・シ」の日に、戸越出身である彼は仲間、先輩たちに呼びかけて、ハイチ救済や、若い自分たちが社会にどう貢献できるかを考えようと訴えた。
今回はその1回目。公演の広場にブルーシートを少し広げただけの「会場」で、「出演者」はベンチにまったりと腰かけてのトーク&ライブだった。
登場したのは笑福亭鶴瓶、JESSEの父親であるChar、R&BシンガーのAI、湘南乃風の若旦那、コーン・ヘッド(タツ)といっためんめん。彼らをを取り囲んだ参加者は5、60人ほどだったろうか。だがわずかなインターネットからの情報をもとに、関西から駆けつけた人たちもいたようだ。
面白かったのは、AIも鹿児島から東京に出てきた時に戸越に住んでいたことがあったそうで、その話の途中に感極まり、今も地元で暮らすCharの傍で泣き出してしまう場面もあった。JESSEたちも、一般のライブとは異なる地域社会との連携を試みるフリー・イベントは初めてだったようで、若旦那も両親への愛を語って涙ぐみ、JESSE本人も品川区や町内会との調整や早朝からの掃除など大変だったらしく、最後に父親と抱き合っていた。
まだ赤ん坊のようなフリー・イベント。東京ローカルである戸越から、世界を考えようじゃないかというJESSEとその仲間たちの心意気に期待したい。
(文・藤田正)