アメリカのポップ・ミュージック史において欠かすことのできない名門、
アトランティック・レコードの創立者、アーメット・アーティガンさんが亡くなった(2006年12月14日)。
ニューヨークで行われた
ローリング・ストーンズのコンサートで倒れ、頭部を打ったのが原因で昏睡状態が続いていた。83歳。
アトランティックは、1947年、アーティガン&ハーブ・エイブラムソンによってニューヨークに設立され、まずは当時全盛のR&Bに着目、数々の名作やヒット曲を量産した。その後、まだ若かったロックの世界にも進出、
レッド・ツェッペリン、ストーンズなどの名作を発表してきた。
生まれはトルコのイスタンブール。外交官の父親が駐米大使となったことで米国へやってきた。若い頃から黒人音楽に夢中になり、24歳で設立したアトランティックからは、
レイ・チャールズ、アリサ・
フランクリンなど歴史的なミュージシャンが続々スターとなった。
独立系としてスタートしたアトランティックは、共同経営者だったエイブラムソンがしばらくして同社を退き、兄であるネスヒ・アーティガンとジェリー・ウェクスラーが参画、R&B、ロックンロール、ジャズ、ロック、ソウル…と、20世紀後半のアメリカ系ポップの土台をなす名門レコード会社へと成長した
アーティガンさんは高齢となっても全世界のライブ会場を飛び回り、新しい才能を発掘することでも知られ、ポップ・ミュージックの愛好者やレコード業界の人たちから尊敬を集める生きる伝説のような存在だった。
(写真は『Atlantic Records: 50 Years』)
Atlantic Recordsのサイト:
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書籍『アトランティック・レコード物語』(ドロシー・ウェイドほか著)